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shopify関連 2021年12月16日

【Shopifyの主な特徴】越境ECを身近にできる機能

新型コロナウイルス感染拡大を背景に、日本国内のみならず世界規模でEC需要が増加しています。それと同時に海外に拠点を持たず、日本国内からオンラインで海外へ商品の販売を行う「越境EC」への注目も高まっています。今回は越境ECの様々な事業モデルや世界の越境EC市場の動向、また、Shopifyが越境ECに強いと言われる理由について説明します。

越境ECとは

越境ECとは、インターネットを活用して、日本国内から海外へ向けて商品を販売する国際的なEC(電子商取引)のことを指します。
越境ECを始める方法としては、以下の6つのパターンがあります。経済産業省の令和2年度電子商取引に関する市場調査においても、以下の6つの事業モデルを越境ECとして定義しています。

  • 日本国内の独自ECサイト
    日本国内に越境ECの自社サイトを構える事業モデルです。もともと国内で運営している日本語の自社サイトを、多言語化するなど海外仕様にカスタマイズすることで越境ECに対応するケースです。事業開始当初から海外のお客様をターゲットにした商材を扱う場合は、日本語のサイトを設けずに越境ECサイトのみを作成する場合もあります。Shopifyを利用して越境ECサイトを作成するパターンはこれに当てはまります。
  • 日本国内のECモール等出店
    日本国内で越境 EC に対応したモール等(楽天・Amazonなど)へ出店する事業モデルです。モール側が決済や翻訳サービスなど必要な越境対応機能を提供しているため、国内消費者を対象とした出店の延長線として海外の消費者に向けて販売でき、6つの方法の中でも難易度が低い方法です。
  • 海外のECモール等出店
    海外のECモールやECサイトに出店する事業モデルです。天猫(Tmall)への出店が代表的です。
  • 保税区活用型出店
    保税区(関税等の輸入時の税金を課税されない状態で一時的に保管できる場所)に指定された域内の倉庫に予め商品を輸送しておき、受注後保税倉庫から配送する事業モデルです。中国向け越境ECでよく活用される方法です。
  • 一般貿易型EC販売
    一般貿易同様に、国内の輸出者と海外の輸入者との間で貿易を行い、海外側のECモールやECサイトで商品を販売する事業モデルです。一般的なBtoB型貿易において販売チャネルとしてECを活用するスタイルのことです。
  • 海外の自社サイト
    海外で自社サイトを構築する事業モデルです。既に海外において自社商品が浸透し、かつECサイトの運営を自社でコントロールできる体制を整えている場合は取組むことが可能です。

世界の越境EC市場の動向

経済産業省の令和2年度電子商取引に関する市場調査によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7,800 億 US ドルと推計され、その値は 2026 年には 4 兆 8,200 億 US ドルに達すると予測されています。その間の年間平均成長率は約 30%で、今後も世界の越境 EC の市場規模は確実に拡大すると見られています。

また、2020年にFacebookとShopifyが共同で発行した越境ECプレイブックにおいて、18歳以上の9,783人を対象にしたオンライン調査では、カナダ、ブラジル、ドイツ、インド、インドネシア、オーストラリアなどの諸外国で回答者の70%以上が海外から商品を購入していると答えています。商品としては衣料品や靴が人気で、価格帯としては50ユーロ未満が60%を占めるなど、比較的安価な商品を購入していることが分かっています。そして、注目すべきは、30,000人以上を対象としたオンライン調査の結果、購入先国の5%が日本だと判明しています。

前述した世界の越境EC規模を考慮すると、越境ECへのチャレンジは大きなビジネスチャンスとなり得ます。
越境ECサイトでの購入において障壁となるものについてはいくつか考えられますが、代表的なものは言語と通貨です。同調査においては、「母国語で表示されない海外のウェブサイトでの買い物に抵抗がある」と回答した割合は約60%、「海外の通貨での支払いには抵抗がある」と回答した割合は約50%を占めます。

また、海外からの購入者の70%は、配送料が購入前に明確に提示されていることを重要視していますし、国際便の配送時間、カスタマーサービス、返品のポリシーやサイトのセキュリティなど、越境ECを運営するにあたっては様々な点を考慮する必要があります。

Shopifyでの越境ECの始め方

Shopifyはカナダで設立されたクラウド型のECプラットフォームであり、現在までに約175ヵ国、100 万以上の企業に選ばれた実績があります。このように海外で高い評価を受けているShopify は、グローバルスタンダードを前提としてサービスを提供している点が強みの一つとして挙げられます。越境ECの導入を後押しするShopifyの機能をいくつかご紹介します。

多言語対応

前述のアンケート結果が示しているように、越境ECを準備するにあたっては、ターゲットとなる国のお客様が利用する言語でサイトを表示させることが必須条件です。Shopifyでは越境ECビジネス向けに様々なアプリを提供しており、翻訳アプリもその一つです。今回はLangShopをご紹介します。

LangShopを利用すれば、ECサイトを241言語に自動翻訳が可能です。手動翻訳も可能なため、自動翻訳された文章の一部分のみを手動翻訳で修正することも可能です。また、商品サイトの翻訳だけでなく、メールのテンプレートなど全てのコンテンツを翻訳できるため、越境ECに欠かせない多言語化を効率的に短期間で実施することができます。言語別のSEO対策も標準で対応している点も魅力です。他の翻訳アプリと比較して利用料は高めの設定ですが、多くの企業で採用されています。

通貨対応

Shopifyでは、現地通貨への換算もアプリを利用すれば簡単に実施することができます。他通貨変換アプリとしてよくブログ等でも紹介されているのがBEST Currency Converterです。無料版もあり、5つの通貨表示を使用することができます。有料版を利用すれば、客様の所在地に合わせて自動で通貨を変更する機能も用意されています。

優れたデザイン性

Shopifyは100種類以上のテンプレート(Shopify ではテーマと呼ばれます)からサイトのデザインを選択することができます。どれも質が高く、ブランドの世界観を演出することができます。越境ECでは海外のお客様に好まれるようなデザインのサイトを構築することが、売上を伸ばしていく一つの鍵です。Shopifyの豊富なテーマを利用すれば、特別にデザイナーに外注することなく、海外のサイトのデザインを自社内で独自に研究しながら越境ECサイトを構築していくことが可能です。

豊富な決済方法

Shopifyでは豊富な決済方法を取り揃えていますが、世界最大規模のオンライン決済サービスであるPayPal(ペイパル)が初期設定で実装されている点が特徴です。越境ECサイトの利用にあたっては、サイトのセキュリティ面を不安視する声も多いため、海外での信用度の高いPayPalを決済方法として準備しておくことは購入の後押しになります。また、PayPalでは不正取引などの被害を補償する売り手保護制度も無料で提供されているため、越境ECを始める事業者も安心して利用することができます。

カスタマーサービス(チャットサービス)

ECサイトでは、顔の見えないサービスだからこそ、丁寧なカスタマーサービスが求められます。Shopifyブログの記事によると、ブランドとチャットした買い物客がコンバージョンに至る頻度は、しない買い物客と比べて3倍高く、さらにその平均カート投入金額も10%〜15%高いことが判明しています。チャットサービスとしては、海外での認知度の高いWhatsAppの利用がお勧めです。WhatsAppは世界シェアNo.1のチャットアプリで、月間のアクティブユーザーは20億人と、180ヶ国以上で多くの利用者を抱えています。

ShopifyではWhatsapp Chat + Abandoned Cartなどのアプリを利用して、ECサイト内でWhatsAppを利用することも可能です。チャットサービスを通じてお客様からの質問にタイムリーに対応することで購入を後押しし、顧客満足度の向上及びリピーター獲得につなげることができます。一方で、その手軽さ故、コンバージョンに直接結びつかない精度の低い問い合わせにも対応せざるを得ず、人的リソースが必要となる点も念頭に入れておく必要があります。

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